本当に確定申告ってめんどうですよね。
確定申告した直後は、「よーし来年も覚えてられそう」って自信満々なのに、翌年には、あれ?去年どうしてたっけ?って思い出せない。
そんなことないですか?
あれやこれやを思い出す時間を短くしたい。
ということで、確定申告マニュアルを作ることにしました。
e-Taxで確定申告するメリットと事前準備
個人事業主がe-Taxで確定申告するメリットは、65万円の控除を受けられることです。
実際に65万円の控除を受けるには条件があります。
それがe-Taxを利用して青色申告をすること。
それぞれ解説していきますね。
e-Taxで確定申告するにはマイナンバーカードが必要
e-Taxで確定申告するのには必要なものがあります。
・マイナンバーカード
・カードリーダー
まず、マイナンバーカードを申請しましょう。マイナポイントがもらえますので、マイナポイントの申込みも忘れずに。
次にカードリーダーを購入します。マイナンバーの読み取りに対応したカードリーダーを選びましょう。
個人事業主が青色申告をするには会計ソフトが必要
個人事業主が青色申告をするには、なんらかの会計ソフトが必要です。確定申告で提出しなければならない書類や、提出はしないけれども法律上保存しなければならない書類を、会計ソフトから出力することになります。
1.青色申告決算書…国税庁指定の様式
2.総勘定元帳(減価償却費)…e-TAXでデータで提出すると手入力せずに済みます
1.帳簿(仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳など) 保存期間7年
2.決算関係書類(損益計算書・貸借対照表・棚卸表など)保存期間7年
3.現金預金関係書類(領収証・小切手控・預金通帳・借用証など)保存期間7年
4.上記以外の書類(請求書・見積書・契約書・納品書・送り状など)保存期間5年
こうした書類を自力で作成するのは現実的に難しいですので、会計ソフトを頼りましょう。
おすすめの無料会計ソフト
おすすめの無料会計ソフトは「エクセル簿記/ExcelB」です。
こちらは無料で使えますし、エクセルに入力していくと、上記の書類が自動的に出来上がる便利ソフトです。そのまま印刷して税務署に提出できますよ。
ただ、翌年も使いたい場合や、パスワードロックを解除したい場合には、有料のマニュアル(税込2,090円)を購入する必要があります。こちらのマニュアルを一度購入すれば、それ以後は毎年利用できますのでお安いです。
エクセル簿記は無料で助かりますが、その代わりすべての取引を手入力する必要があります。
取引が多くて手入力は面倒だという人には、クレジットカードや銀行口座を自動連係できるマネーフォワードがおすすめです。
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毎月記帳しておくのがおすすめですが、確定申告の時期にまとめて1年分の記帳をする方もいるかもしれませんね。あとで管理しやすい記帳のコツをまとめてみます。
1.仕訳の日付はいつにすればよいか
仕訳にはすべて日付が必要です。日付はルールを決めてしまえば迷わずに仕訳ができます。
- 売上…納品物がある業種の場合は納品日。月末締めの業種の場合は月末。
- 原価や販管費…納品された日やサービスの提供を受けた日。月ごとのサービスの場合は月末または月初。
- 現預金…受領した日や支払った日。
- その他の仕訳…月初または月末。
2.売上の仕訳をする
売上は取引先別に補助コードを設定しましょう。
売上と売掛金の両方を取引先別に仕訳します。取引先が少ない場合は、補助コードなしで大丈夫です。
また、補助コードが設定できない会計システムの場合は、なくても大丈夫です。
しかし、もし取引先が増えたたために、取引先別の売上や売掛金が混乱してわかりにくいと感じたら、補助コードが使える会計システムへの変更を検討してもよいかもしれません。
売掛金(補助コード1 A社)10,000円 / 売上(補助コード1 A社)10,000円
3.原価の仕訳をする
原価も取引先別に補助コードを設定します。原価と買掛金の両方を取引先別に仕訳します。
こちらも売上と同様に、取引先が少ない場合は補助コードなしで大丈夫です。
売上原価(補助コード5 D社)10,000円 / 買掛金(補助コード5 D社)10,000円
4.販管費の仕訳をする
販管費は適切な科目を選択して仕訳をします。
ここで注意なのは、科目をどこまで細かく計上するかという問題です。
細かすぎず、かといって大雑把にまとめすぎず、ちょうど良い程度におさめるのが良いのですが、どうすればよいかわかりませんよね?
たとえばこんな風にブレイクダウンしてみてはいかがでしょうか。
販管費の科目の決め方
1 まずは次の科目に分解してみる
租税公課 | 500 |
旅費交通費 | 2,000 |
通信費 | 1,500 |
減価償却費 | 1,000 |
その他 | 5,000 |
販管費 合計 | 10,000 |
2. その他の中に、以下に該当する項目があれば、その科目に仕訳する
給料 |
福利厚生費 |
地代家賃 |
水道光熱費 |
接待交際費 |
損害保険料 |
3.さらに残ったその他のうち、以下に該当する項目で、かつ、合計金額が大きい場合は、その科目で仕訳する。合計金額が小さい場合は何もせずに4へ進む。
広告宣伝費 |
消耗品費 |
4.残ったその他の金額をすべて雑費にする。
雑費 |
いかがですか?ここまでで主要な科目にブレイクダウンできたと思います。上記以外で金額が大きい項目があれば、該当科目で仕訳すると良いです。
固定資産台帳を作成する
つぎに会計システムで固定資産台帳を作成します。
1.固定資産台帳をアップデートする
新たに購入した固定資産がある場合は固定資産台帳にその情報を追加します。
処分した固定資産がある場合は、固定資産台帳の残高を1円もしくは0円にします。
2.減価償却費の仕訳をする
固定資産台帳で計算した減価償却費の仕訳をします。
3.減価償却費の合計額を照合する
減価償却費の合計額を照合します。照合するのは下記の4か所です。
合っていない場合は、仕訳が間違っていますので修正し、再度確認してください。
固定資産台帳 | 減価償却額の合計額 |
総勘定元帳 | 減価償却費の期末残高 |
青色申告決算書①損益計算書 | 減価償却費 |
青色申告決算書⑤減価償却費の計算 | (リ)本年分の必要経費算入額 |
4.工具器具備品の残高を照合する
工具器具備品の残高を照合します。照合するのは下記の4か所です。
合っていない場合は、仕訳が間違っていますので修正し、再度確認してください。
固定資産台帳 | 帳簿価格 |
総勘定元帳 | 工具器具備品の期末残高 |
青色申告決算書④貸借対照表 | 工具器具備品の期末残高 |
青色申告決算書⑤減価償却費の計算 | (ヌ)未償却残高(期末残高) |
5.青色申告決算書②月別売上(収入)金額及び仕入金額の作成
青色申告決算書②月別売上(収入)金額及び仕入金額の作成をします。
自動で作成される会計システムの場合は内容を確認します。
給与を支払っている人がいる場合も、この書面に情報を入力します。
6.会計システムから決算関係書類を保存する
会計システムから決算関係書類をダウンロードして保存します。
・合計残高試算表
・仕訳日記帳
・総勘定元帳
・決算報告書
これらの書類を、PDFでダウンロードして保存しておきます。
ここまでできたら完成です。さっそく確定申告してみましょう。
e-TAXで確定申告を行う
【国税庁 確定申告書等作成コーナー】からオンラインで確定申告を行います。
オンラインの場合は、1月4日から確定申告ができます。
早く確定申告をすれば1月中に還付金が銀行口座に入金されますよ。
1.作成開始
新規に申告書等や決算書・収支内訳書を作成を選択します。
2.青色申告決算書の内容を入力する
会計システムで作成した青色申告決算書を見ながら、e-TAXに数値を入力していきます。
減価償却費の明細書は、ここで手入力してもよいですが、別途郵送も可能です。
郵送する場合は、最後の方で画面上に表示される「申告等送信票(兼送付書)」を印刷し、減価償却費の明細書と一緒に郵送します。
3.給与等がある場合は源泉徴収額などを入力する
個人事業主としての収入以外に給与所得があり、会社で年末調整を行った場合は、その内容を入力していきます。
4.控除の内容を入力する
控除の金額を入力していきます。保険会社、証券会社等から送られてきたハガキなどを見ながら入力します。
・小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)
・社会保険料控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・医療費控除(家族分も対象)/セルフメディケーション税制による医療費控除
・寄付金控除(ふるさと納税)
・住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
5.データを送信する
必要事項をすべて入力したら、所得税の還付額(または納付額)が自動計算されます。
還付の場合は銀行口座情報を登録します。
内容に問題なければデータを送信し、確定申告が終了です。おつかれさまでした!
6.確定申告の書類を保存する
e-TAXで送信した確定申告の書類はダウンロードし保存しておきましょう。
できれば印刷して紙でも保存しておくと確実ですね。
会計システムの更新
確定申告が終了した時点で、会計システムの更新をします。
次年度更新の処理を行います。
手動でバックアップが可能な場合は、念のためバックアップも取っておきましょう。
これですべて終わりました。年に一度の確定申告。おつかれさまでした。
来年はこの記事を参考に、短時間で終わらせたいですね!