ある日突然、ミサイルやテロに巻き込まれる可能性を想定しないといけない時代になってしまったと感じませんか?
実際に、ミサイル爆発やテロに遭遇してしまったらどうすれば良いのか。
着弾後にすべき行動や、攻撃の種類別の対処方法についてこちらの記事にまとめました。
あまり考えたくないことだと思いますが、気持ちに余裕があるいまのうちに、目を通しておいてくださいね。
以下の記事から先に読むとわかりやすいです。
爆発直後にすること
爆発に遭遇した直後は、まわりで物が落下していることが多いです。
すぐに動き出すのではなく、その場で周囲の安全を確認しましょう。
物の落下が止まるまでは、頑丈なテーブルなどの下に身を隠します。
自分の体を確認する
次に、自分が怪我をしていないかどうか、体の状態を確認します。
- 目をゆっくり開ける
- 指やつま先など先端からゆっくり手足を動かしてみる
- 胸、お腹、背中に出血や痛みがないか確認する
- 頭に出血や痛みがないか、鼻血がないか、確認する
- めまいがあったら頭を振ったりせずしばらく横になる
- ふらつきがなければ、ゆっくり四つん這いになる
- 膝立ちになる
- 立ち上がる
止血の方法
もし出血していた場合は、救急車が来るまで自分で止血をします。
こういう時のために、爆発前に避難する段階で、非常用持ち出し袋を自分の近くに置いておいきましょう。
直接圧迫法
出血しているところを、直接圧迫する方法です。
この時、ガーゼ、止血パッド、止血用包帯、生理用ナプキンで抑えます。
なければタオルや洋服で抑えます。
滅菌済・止血用パッド(日本製)
止血帯を使う方法
直接圧迫法で止まらなければ、止血帯という道具を使う方法があります。
健康診断で血液採取の時に、注射を刺す箇所より上の位置をバンドで絞めて血を止めますが、それと同じ原理です。
これは腕や足の出血に使える道具です。傷より心臓に近い位置にバンドを巻いて、棒を回して締め上げます。
止血帯 駆血帯 止血バンド
爆発した建物から逃げる
肌の露出を少なくしながら爆発地点から遠く離れます。
上着を頭からかぶり、ガス漏れや粉塵を吸わないようハンカチやマスクで鼻と口を覆って、移動します。
切れた電線が垂れ下がっていたら触らないように。風下を避け、風向きから垂直方向に避難します。
瓦礫の中を移動しますので、防刺機能付きの安全靴を履いていると安心です。
もし有事の兆しを感じたら、普段からこのような安全靴を履いて行動しましょう。
家や職場に1足ずつ用意しておくのも良いと思います。
普通のスニーカーに踏み抜き防止のインソールを入れるだけでも、いざというときに怪我を防ぐことができます。
安全靴 鋼先芯 防刺 耐滑
踏抜防止カップインソール ミドリ安全
瓦礫に埋もれてしまった時はどうする?
ホイッスルで助けを呼ぶ
体力の消耗を避け、粉塵を吸い込まないために、ホイッスルを使います。
普段からホイッスルを身近に置いておきましょう。キーホルダーに着けて持ち歩いたり、枕元に置いたりしておきます。
もしホイッスルがない場合は、周囲にある石、鉄パイプ、木材をそのもの同士で打ったり、配管、堅い床や壁を叩いて音を出す方法もあります。
粉塵を吸い込まないため、大声を上げるのは最後の手段にします。
ホイッスル ネックストラップ付 防災 救援 笛
火を点けない
暗くて何も見えなくても火を点けないようにします。
ガスが充満している可能性もあるため、ガス・ライター・マッチなどで火をつけないようにしましょう。
脱水と低体温に気を付ける
水があれば、忘れずに摂取して脱水症状にならないようにします。
また、低体温を防ぐために、非常持ち出し袋に用意しておいた毛布を使います。
粉塵を巻き上げない
あまり動き回って粉塵を巻き上げないようにします。
火災に巻き込まれた時はどうする?
火災が発生したら、すぐに建物から脱出します。
有毒ガスが発生している可能性もありますので、次のように行動します。
煙を吸い込まない
ハンカチ、タオル、ジャケットなどで口と鼻を覆います。
息を止めない
小さく呼吸し、息を止めずに行動します。息を止めると、我慢できずにかえって大きく吸い込んでしまうので注意します。
身を低くして脱出する
煙は天井から下へ流れます。ドアが見えないくらい視界が悪い場合は、四つん這いになります。たとえばこんな感じで進みます。
右手 ➡ ハンカチで口と鼻を覆う
左手 ➡ 床についてバランスをとる
右足 ➡ 床についてバランスをとる
左足 ➡ 壁に沿わせながら前進し、ドアを探す
ハンカチの代わりに手ぬぐいを持ち歩くようにすると、火災の時に役立つだけでなく、怪我をした場合には包帯代わりに、瓦礫の中を歩くときにはマスク代わりになります。
普段使いできるおしゃれな手ぬぐいです。
日本製 手ぬぐい
情報収集をする
テレビ・ラジオ・政府ホームページ・政府のXなどから情報収集に努めます。
警察や消防の指示があれば、指示に従って避難します。
安否確認
あらかじめ決めておいた方法で、家族の安否確認を行います。
安否確認サービス
通信事業者の安否確認サービス
SNS
FacebookやTwitterなど
スマホアプリ
LINE
警備会社のサービス
集合場所へ移動
安否確認ができない場合は、あらかじめ決めておいた集合場所に向かいます。
武力攻撃別の対処方法
つぎに、攻撃の種類別の対処方法について見てみましょう。
ゲリラや特殊部隊に攻撃されたらどうする?
ゲリラや特殊部隊の攻撃の特徴:狭い範囲で突発的に発生します。
核・生物・化学兵器、放射性物質の散布を意図した爆弾(ダーティーボム)の使用も想定されます。
攻撃当初は屋内に避難し、その後は行政機関からの指示に従って避難します。
弾道ミサイルが飛んで来たらどうする?
弾道ミサイルの特徴:着弾地域の特定が難しく短時間で着弾します。
防災無線で特別なサイレン音が鳴ります。
弾頭の種類(通常弾頭か、核・生物・化学弾頭か)を着弾前に特定するのは難しいです。
攻撃当初は堅牢な建物や地下街に避難し、その後は行政機関からの指示に従って避難します。
着上陸侵攻されたらどうする?
着上陸進行の特徴:船舶の場合→沿岸部、航空機の場合→沿岸部に近い空港、が攻撃目標となりやすいです。
被害が広範囲、期間が長期化することが想定されます。
事前に避難する場合は、遠方への避難となり、期間も長期にわたる可能性があります。
行政機関からの指示に従って避難します。
航空攻撃されたらどうする?
航空攻撃の特徴:兆候を察知しやすいですが、攻撃目標の特定は難しいです。
都市部の主要施設やインフラ施設が目標となることも想定されます。
堅牢な建物や地下街に避難し、その後は行政機関からの指示に従って避難します。
化学剤・生物剤・核物質ってどんな特徴がある?
化学剤の特徴
地形や気象により風下に拡散します。空気より重いサリンなどは下をはうように広がります。においはあったり、なかったりします。
目の充血・咳き込み・かゆみなどの症状が現れます。
飲食物・日用品への混入、人体へ直接注入、爆発物や噴霧器での散布も考えられます。
生物剤の特徴
細菌やウィルスなどで、人に知られず散布が可能です。
飲食物・日用品への混入、人体へ直接注入、爆発物や噴霧器での散布が考えられます。
潜伏期間に人が移動すると被害が広がってしまいます。
核物質の特徴
核爆発の場合は、爆発に伴う熱線、爆風による物質の燃焼、建物の破壊で放射能汚染が生じ、その後は放射性降下物(灰)が拡散します。
ダーティボムの場合は、核爆発ほど大きな被害は生じませんが、爆薬と放射能の被害が生じます。
化学剤・生物剤・核物質が使われたらどうする?
化学物質、生物物質、核物質が使用されたかどうかが判明するまでには時間がかかってしまいます。
そこで、爆発に遭遇したら、正確な情報が発表される前から、念のため以下のような対応をした方が安心です。
- 口と鼻をハンカチで覆い、その場から直ちに離れる
- 外気からの密閉性の高い屋内の部屋か、風上の高台へ避難する
- 屋内では、窓を閉め、目張りにより室内を密閉し、できるだけ窓のない中央の部屋に移動する。なるべく上の階へ移動する
- 汚染された服、時計、コンタクトレンズなどは速やかにビニール袋に入れて密閉する
- 汚染された服を脱ぐときは皮膚に汚染された部分が触れないように注意する(頭からかぶる服の場合は、はさみで切り裂くとよい)
- その後、水と石けんで手、顔、体を良く洗う
- 安全が確認できるまで、汚染の疑いのある水や食べ物の摂取は避ける
- 行政機関の指示に従い医師の診断を受ける
- 化学剤傷病者の治療は一刻を争うので、すぐに警察や消防に通報する
- 生物剤感染の疑いがある人はマスクをし、その人が使用した家庭用品に触れないようにし、頻繁に石けんで手を洗う
まとめ
ミサイルが着弾後の対応と安否確認、攻撃の種類別の対処方法について解説しました。
3つの記事をご覧いただければ、基本的な対応は網羅できています。
具体的な準備と対処方法がわかれば、漠然とした不安はひとまず解消されたのではないでしょうか。
これからは理解したことを活かして、毎日の生活の中で、生活圏の安全性、ファッション、持ち物、インテリア、備蓄などを見直していきましょう。
参考サイト
武力攻撃やテロから身を守るために(パンフレット)/国民保護ポータルサイト
参考文献